スプレーガン(エアーブラシ)の使い方
はじめに
みんなが一度は使ってみたいと思ってる(勝手な想像ですが、、、)スプレーガン!
コンプレッサーが必要だったり、周りの養生が必要だったり、何かとハードルは高めの道具なのではないかと思いますが
刷毛スジは残らないし広範囲にきれいにペンキが塗れるのでかなり大好きな道具の一つです。
必要な道具、材料
- スプレーガン本体
- コンプレッサー
- ペンキ(油性、水性)
- ペイントシンナー(塗料にあったもの)
- 養生用シート
- マスキング、マスカー など
手順1
各部分の紹介をします
スプレーする際は、喚起の良いところでマスクをすることをお勧めします。
- ノズル
塗料が空気と一緒に勢いよく出るところです - スプレー幅調節つまみ
塗料の出る幅を調節できます - ペイント量調節つまみ
塗料の出る量を調節できます - トリガー
握ると塗料が出ます - 空気量調節つまみ
スプレーガンから出る空気の量を調節できます - 空気接続口
コンプレッサーにつないで圧縮空気を送る口です - ボトル
塗料を入れる入れ物 - スプレーオリフィス
周りの穴から空気が勢いよく出て負圧になりボトル内の塗料がここから吹き出ます - サイドポート
スプレー幅調節ノズルで個々の穴から出る空気の量を調節して塗料の広がる範囲を調節するところ
手順2
クリーニングと準備
初めて使うとき箱から出した状態では、防錆材で保護されているため使用する前にノズルを分解してシンナーで清掃しなければなりません(面倒ならしないでも使えますが、するのとしないのでは仕上がりに影響します)
各部をばらしたら、ペイントボトルにシンナーを少量入れ、そこにばらしたノズルを入れてしばらくすれば、防錆油はきれいになると思います。
また、加工した際に出る金属くずなどもついている可能性もありますので、ほかの部分も分解してシンナーを付けたウエスなどで清掃するといいと思います。
次に、ボトルとサイフォン部分(塗料が通る細かいところ)の清掃ですが、かなり細かい加工なので、ウエスで拭いたりはできないので、先ほどペイントボトルに清掃用にためたシンナーで実際に空気を送ってシンナーだけを流しサイフォン部分の清掃をすればよいと思います。
スプレーする際は、喚起の良いところでマスクをすることをお勧めします。
手順3
エアーホースにつなぎます
- スプレーガンにエアーホースをつなげるのにオスのカップラーが必要になるので取り付けます
その際にシールテープを巻くのもお忘れなく、シールテープはねじが閉まる方向に巻いていきます。 - エアー圧は、使用するガンやペンキの種類によっても変わりますが、通常では水性塗料は油性塗料よりも少ない圧力で使用されます。
一般的に使用される塗料では0.15Mpa~0.2Mpaが目安で使用します。
コンプレッサー付属のレギュレター又は別途取り付けられているレギュレターで調節してください。
手順4
塗料の準備
- ほとんどの塗料は薄めて使う必要があります。
塗料によって薄める液体は変わってきますので注意してください。
(例:ラテックス/アクリル塗料は水、ラッカーはラッカーシンナー、自動車用塗料はアセトンで薄めるなど、そのほかにも様々な塗料があります) - 薄めた塗料の粘度は牛乳くらいの感じにするのがベストです。
簡単な粘度のテスト方法はかき混ぜ棒を塗料に浸して持ち上げ、すぐに棒から数滴の塗料が落ちるようであれば、かなりおおざっぱですがOKです。もっと正確に測りたいのであれば、スクリーンのついたコーンに決められた量の薄めた塗料をいれ、流れ落ちるまでの時間を測るというやり方もあります。
手順5
パターン
- 左のイラストのエアーキャップの角のようなところから、内側に向いて出ている空気で散布された塗料の広がりを押しつぶして楕円形の形で塗料が噴出されます
- 大きな面をスプレーする際は、塗料の出る量を多くして幅広いサイズで、小さいものをスプレーするときは塗料を絞って小さな範囲で、そうしないと、余計な塗料を吹いてしまったり、時間を余計に使ってしまうことになるので、適切に調節しましょう。
- 角の部分を地面と平行にすると、垂直方向に長細い楕円形になります。
- 地面と垂直に角を合わせると水平方向に広がった楕円になります。
スプレー幅調節つまみで楕円の潰れ具合も調節できるので塗るものに合わせて塗料の出る形を調整して塗布してください。
注:楕円形の形を変えたり大きさを変えた利するときは、空気量や空気圧、塗料の量も調節する必要があります
手順6
準備は出来ました
- 塗料の粘度がきまったら、ガンのボトルに塗料を注ぐ準備ができました。
重要:塗料を注ぐ際はペイントストレーナーを使用してください。塗料がきれいに見えても、塗料になにかの塊(乾燥した塗料、ごみ、そのほかの混入物)が混じっていてガンを詰まらせるかもしれません。
ガンが詰まるほど面白くないものはありません。 - 塗料を注ぐときは1/2~3/4ほどにしておいてください。
ナミナミ注ぐと塗料が飛び散ったり、ガンが重くなり早く疲れたりしちゃいます。蓋をしっかりと占めてボトルが外れないようにしましょう、外れて床を塗ることになってしまいかねないです。 - コンプレッサーの電源を入れ、ガンにエアーホースをつなぎコンプレッサーとガンを繋いでください。
いざ!塗装へ!
注:油性の塗料を使うときはコンプレッサーとガンの間にウォーターセパレーターを取り付けたほうよりより塗装面が得られます。油性塗料に水分が混ざると何かと悪さをしますので
手順7
安全のため
安全に作業するには、
- 有機蒸気吸収カートリッジ付きのマスク
- 頭から足の先までカバーできる保護服
- ニトリル手袋
- 保護メガネ
上記の装備をつけて作業することをお勧めしますが、そんなのめんどくせーよという声が聞こえてきそうなので、最低限マスクくらいは着用しましょう。
一度なくした健康は、なかなか帰ってきてくれないので、、自分も何の装備もしないでよくやってしまいますが、さすがに室内の作業のときはマスクはしますが、、、
それから、換気には最善の注意を払ってください。密閉空間で塗装作業すると最悪の最悪は、死につながります。
手順8
いざ塗装!!その前に
っとその前に紙や段ボール、ベニヤ板などでテストしてみることをお勧めします。テストで下記のことを確認してください。
- 均一に噴射できているか?
- スプレーパターンは適切か?
- 塗料の粘度はよいか?
- 空気量、空気圧はよいか?
手順9
レッツスプレー
テストスプレーでOKだったら、いよいよ本番を始めましょう!!
- スプレーする面から、15~20センチ離してガンをもって、表面に対してできる限り垂直に持ちます、傾いていると均一に塗布できません。
- 動かす時は手首で動かすのではなく、スプレーする面と平行に距離が変わらないようにスムースに一定のスピードで動かします
スピードにムラがあったり、距離が変わったりすると、タレの原因になります。
- 図のような面にスプレーするときは、縦長の楕円にして上から下に列を作るようにスプレーしていきます。初めのストロークははみ出し気味になってしまいますが、これで端っこもほかの部分と同じような塗布量になります。
- 図のように左から右にトリガーを引いてスプレーをしていきます。
緑の○がトリガーを引く位置と放す位置です。 - 放すといっても完全に放すのではなく、塗料が出ない程度に放して、空気は出し続けます。
- 列を作るときのイメージは、直前にスプレーした端を狙って次のスプレーを吹いていきます。楕円の上半分50%を重ねるイメージです。
均一に仕上げるには、多くの練習が必要になりますが、どんな上手な人でも初めはうまくいかないものです。
重要:一回塗りで仕上げるのではなく、2、3度塗って仕上げるので初めのスプレーで完璧になっていなくても大丈夫です
コツ
やっぱりコツはありますのでいくつか紹介します
- 必ず塗装面の外から、スプレーを始めてください。こうすることでノズルに付着した乾燥した塗料の塊が塗装面につくのを防げます。
- ストロークの最後で必ずトリガーを離し塗料を止めてください。エッジの不均一を防止できます。
- トリガーは完全に放さず、空気は常に出るようにしておきます。空気圧が一定に保たれます。空気を止めてしまうと、空気圧が変動してしまって再びスプレーする際の塗料の出が変わってしまいます。
- 仕上がり品質を維持しながら、可能な限り低い空気圧と塗料量でスプレーします。
- 初めの層を左右に動かしたら、2回目の層は上下に動かし塗装します。これによりより完全な塗膜の均一化ができます。
手順10
あとかたずけ
ガンの清掃は少し面倒ですが、絶対に必要な作業です!
- ニードル、エアキャップ、スプレーオリフィス、ペイントカップ等を取り外し塗料で使ったシンナーで洗います。
自分の場合はペイントカップを洗った後、その中にシンナーを入れてその中に細かい部品をつけておきます。 - エアーが出る穴や取り外せないガン本体の穴などは清掃用のニードルを使って掃除します。
- 最後に組み立てるときはねじ山に少量の潤滑剤をつけてねじを保護します
写真はこんな道具で掃除してますという例です
最後に
トラブルシューティング
- パッキンナットから液漏れ
1.パッキンナットが緩んでいる
2.パッキンナットが摩耗している - ガンの前面からの液漏れ
1.パッキンナットが締まりすぎている
2.フルードチップの摩耗損傷
3.ニードルの摩耗破損
4.ニードルスプリングが壊れている
5.ニードルチップのサイズが合っていない - スプレーがフラッターする(不安定)
1.材料が濃すぎる
2.フルードチップが緩んでいるか損傷している
3.フルード通路のつまり
4.エア通路が詰まっている - 塗料が乾燥して粉っぽく出てくる
1.塗装面とガンの距離が遠すぎ
2.塗料が濃すぎる
3.空気圧が高すぎる
4.ガンを早く動かしすぎ
5.十分な塗料が出ていない、調節の部で調節 - 塗料がタレる
1.塗装面との距離が近すぎ
2.塗料が薄すぎる
3.塗料の出しすぎ
4.動かすのが遅すぎる